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Weekly妄想ニュース

MECのSPシリーズに迫る




●充実してきたモバイルマイコンシリーズ

 前回に引き続き、PC-880lmkUSPのハードウェアに迫る予定だったが、ここへ来てPC-660lSPとPC-600lCrystalが相次いで発表された。 そこで、今回はSPシリーズのCPU以外のデバイスの秘密に迫る事にした。 ただし、今回発表されたPC-600lCrystalについては、同じ88-Engineを搭載するものの、筐体は別デザインとなっており、ハードウェア構成も 随分とシンプルな様なので、ここでは触れない。時期を見てレポートしたいと思う。

PC-880lmkUSP PC-660lSP PC-600lCrystal

●SPシリーズの差異

 PC-880lmkUSPとPC-660lSPは、筐体のデザインも、内部のハードウェアの構成も殆ど同じで、CPUである88-Engine内部のファームウェアの書き換えで、両者の機能差を実現していると考えられる。 ただ、PC-660lSPの方は低コスト化の為か、88SPに搭載されていた幾つかの機能が省略されており、例えば、88SPにある5インチFDと同様のデザインでロック機構を持つスマートメディアの挿入口が、単なる挿入口に変更されていたり、本体前面の引出し型ゲームパッドが別売りオプションになるなどの簡略化が施されている。

 ところで、スペック表を見ると気になる点が幾つか存在する。仮想ハードウェアを実現しているため、両者のスペック表上の差異も基本的には仮想的なもので、比較自体にあまり意味は無い。しかし、液晶の様なデバイスは、両者の解像度の差を吸収する関係上、同じデバイスではなく別のものを使っている可能性が高い。 ところが、解像度が違うのにも関わらず両者とも320x200Pixelのフロントライト搭載のTFT液晶を搭載していた。液晶上の画素と表示解像度が1:1に対応する66SPはともかく、最大640x400を表示する必要がある88SPでは、明らかに画素が足りない。この差をどう吸収しているのだろうか。


●液晶は簡易表示型という事実

 筆者は、去る2/14に東京国際フォーラムで行なわれたPC-880lmkUSPの発表会場で、初めて明らかにされた88SPのスペック表を見て驚愕した。CPUなどのハードウェアは、大体想像の範囲内のものであったが、液晶部には640x400PixelのTFTアクティブマトリックスカラー液晶と書かれていたのである。

 PC-880lmkUSPの液晶サイズは61.2×40.8mm、インチ換算で2.40×1.60インチである。そこに640x400Pixelを表示するという事は、画素密度は250PPIを超え、おそらく市販製品としては世界一か、そうでなくともこの上なく高精細な液晶となるからだ。 これはMECも随分と思いきった事をするなと思ったと同時に、その時はまだ明らかにされていなかった小売価格が、発売時には相当高額になるだろう事は容易に想像でき、本当に30代前後の比較的裕福な独身の男性をターゲットにした商品なんだなと溜め息をついたものだ。

 しかし、実際に発売された製品を見ると、実解像度320x200、簡易表示で640x400となっていた。やはり、250PPIを超える密度の液晶を、そう安々と投入できるわけはなかったかと少々残念になったが、そのかわりバーゲンプライスとなった本機の登場時に、かの秋葉原で行列が出来るほどの人気になったのは記憶に新しい。 この点、MECの選択は正しかった言えるだろう。

 さて、この簡易表示だが、さすがにゲームと違い、プログラムを書ける機器において、1Pixel単位の表示がごまかされては堪らない。そこでMECは、320x200Pixelの画素にその倍の情報を表示するため、ちょっとした工夫をしている。 それが、ダイナミックタイムスライスドディスプレイと言う時分割簡易表示技術だ。

 これは要するにTVのインタレースと同じ事を液晶で行う技術で、表示色数が限られている88シリーズの特徴を生かし、多色発色に必要な点滅回数の半分を、解像度方向に用いる事で簡易表示を実現している。 とは言え、実解像度は320x200しかないので、奇数ドットと偶数ドットの違いを認識出来る様なものではなく、白い点がグレーに見える程度のものである。 その様な事実から、SPシリーズは実際にプログラムを書く事よりも、旧来のソフトを動作させるという目的の方が強いのであろう。

液晶のアップ

 MECでは、ジャストB5サイズのモバイルマイコンも開発中との事だ。こちらはWindows管理化でエミュレータが動作するという、ごく一般的なアプローチで実現されるらしいが、5インチFDDが搭載され、直接ソフトの起動が行えるという。 つまりSPシリーズは、気軽に持ち運べるソフト再生機というコンセプトで、プログラムは二の次。どうやら、今後計画されているこのB5サイズノートこそが本命と見て間違いないだろう。正式なアナウンスはまだされていないが、今から楽しみなニュースである事は間違いない。

 次回は、SPシリーズの他のハードウェアについて、もう少し考察してみたい。

□関連記事
【4月10日】Weekly妄想ニュース
〜MECの次世代統合型CPU「88-Engine」の正体
http://macots.hp.infoseek.co.jp/pc88/kaigai0.html

(2003年4月16日)

[Reported by macotz]


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